ロキが北欧神話最大のトリックスターと言われるわけ

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様々なゲームやアニメでもよく名前の出てくるロキは、北欧神話ではトリックスターと呼ばれていたりします。

 

オーディンやトールとも深い関係にあったロキですが、北欧神話最大の罪を犯すことになります。

 

ロキが罪を犯すに至った背景とはどのようなものだったのでしょうか?

 

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トリックスターの意味とは?

 

トリックスターを調べてみると「いたずら者、詐欺師」といった意味を持っていることがわかります。

 

さらに、人間に文化や秩序といった文明をもたらす一方で、いたずらにより反社会的行動を起こすものという意味合いもあります。

 

この2面性により、世の中に混乱と破壊を引き起こすと同時に、破壊のあとに再び新しい世界を作り出す「創造者」という存在のことなのです。

 

ではロキがトリックスターと呼ばれるゆえんはどのようなことなのでしょうか?

 

 

北欧神話ロキの素性とは?

 

ロキは巨人夫婦の間に生まれた、巨人族の一人です。

てっきり神の一人かと思っていましたが、違いましたね。

 

北欧神話の世界と言えば、9つの国に分けられていて、それぞれ種族の違いにより住む場所が決まっているものです。

 

 

巨人はヨツンヘイムとよばれる巨人の国で暮らすのが普通ですが、ロキだけは違っていました。

ロキは巨人族の出身でありながら、最高神オーディンと義兄弟の盃をかわした男なのです。

 

このあたりからすでに世の中に混乱を引き起こすようなトリックスターの要素が見え隠れしていますね。

 

というのも、北欧神話では常に神々と巨人族は対立し、いざこざが絶えないのですから。

 

ロキとオーディンはある旅の途中に出会い、見目麗しいロキは口もうまく、すっかりオーディンは丸め込まれてしまったのです。

こうしてオーディンの義兄弟となったロキは、アース神族の国、アースガルドで暮らし始めるのでした。

 

 

アースガルドで神々との生活を謳歌するロキですが、なかでも仲の良かったが、雷神トールです。

ロキとトールはいわば「悪友」のような関係でしょうか?

 

トールに対してもロキのいたずらは止まることはなく、トールの妻シヴへのいたずらがきっかけで北欧神話最強の武器が誕生するのです。

 

詳しい話はトールのお話へどうぞ。

 

トールはシヴを溺愛していましたが、ロキの奥さんとはどのような人だったのでしょう?

 

 

アングルボザと子供たち

 

 

 

ロキは容姿端麗、異性を引き付ける魅力の持ち主で、変身が得意な人物でした。

 

ロキの奥さんにはシギュンとアングルボザという2人がいます。

シギュンはアースガルドに住む女神だということですが、その名前はほとんど知られていませんね。

ゲームキャラでも見たことありませんし…

 

 

逆にもう一人のアングルボザは巨人族の一人で、こちらは何かと有名な名前ですね。

アングルボザが有名なのは、ロキとの間にもうけた3人の子供たちにあります。

この3兄弟、なんとも個性的な3人なのです。

 

長男は狼の容姿をした魔狼フェンリル、次男は蛇の容姿をした大海蛇ヨルムンガンド、3人目は下半身が腐った容姿の娘ヘル

 

どの名前も聞いたことがありますよね!

 

特にヘル。ゲームで親しんでいたかわいい女の子だと思っていただけに、半身が腐敗した子だと知ってびっくりです…

 

ともかく、この3兄弟とアングルボザは仲良くヨツンヘイムで暮らしていました。

 

ある日世界を眺めていたオーディンは、ヨツンヘイムでこの家族を発見しました。

そして以前巫女から聞いた予言を思い出します。

 

その巫女の予言とは、

オーディンが巨大な狼に滅ぼされる

というものでした。

 

フェンリルこそその狼に違いないと確信したオーディンは、災いが起こる前にこの3兄弟を追放してしまおうと考えます。

 

 

まずヨルムンガンドはその容姿から、遠い果ての海に投げ捨てられてしまいます。

半身が腐敗したヘルは、死人の国「ニブルヘイム」に送られ、そこで管理人として過ごすことになりました。

そして一番おそれられたフェンリルはアースガルドでオーディンの管理下におかれることになったのです。

 

 

こうしてバラバラになってしまった3兄弟ですが、それぞれなかなかに順応し成長していきました。

 

追放されたヨルムンガンドですが、海での生活にもなれ、巨大化し「大海蛇」と呼ばれるまでに立派に成長。

 

ニブルヘイムのヘルは冥界での暮らしにもなれ、死者を支配する冥界の女王として君臨することに。

ニブルヘイムは彼女の名前を取って「ヘルヘイム」と呼ばれるようにもなります。

 

そしてこのヘル、北欧神話で唯一の死者を生き返らせることができる人物なのです!

 

のちに起こる大事件の際にもヘルは登場してきます。

やはり重要な人物のようですね。

 

 

そしてアースガルドのフェンリルは、小さい頃こそ普通の狼サイズだったのですが、どんどん大きくなっていき、神族の手に負えなくなっていました。

そこでドワーフに作らせた切れない紐でフェンリルは拘束されることになってしまいました。

 

 

それぞれ成長していった3兄弟ですが、ふいに子供たちを奪われた形になってしまったロキは、徐々に神族に不信感を抱き始め、神族に歯向かうようになるのです。

 

 

ロキとバルドル

ロキの恨みは、やはりこの誘拐劇の黒幕、オーディンとその家族に向けられたのです。

オーディンにはフリッグという美しい正妻がおり、フリッグとの間にはこれまた美しく、誰からも愛されるような光の化身、バルドルがおりました。

 

 

家族を奪われる苦しみを、同じようにオーディンにも味わわせてやろうと考え始めたのです。

そこで目をつけられたのが、バルドルですよね。

 

そんな不穏な動きを感じ取ったのか、フリッグは北欧神話の9つの世界に存在するすべてのものがバルドルを傷つけないように誓いを立てさせます。

 

その誓いはすばらしく、他の神がバルドルに矢を射ても、刀で切りつけても、バルドルは傷一つ負うことはなかったのです!

これも母親の愛の力というところでしょうか?

 

なんだか大ヒットした映画の魔法のようですが…

 

 

それはさておき、バルドルが傷一つつかない様子を見ていたロキは、一人の神の姿に変身しフリッグに近づきます。

 

 

神(ロキ)「すべての物に誓いを立てさせるなんて、本当に素晴らしい力ですね!」

フリッグ「そうでもないわ。だってすべてではないのですもの。ヤドリギだけは若すぎて誓いを立てていないのよ…」

神(ロキ)「(…ニヤ)」

 

という感じに見事バルドルの弱点を聞き出したロキは、すぐにヤドリギを手に入れ矢を作りました。

 

 

誓いのおかげでバルドルが殺されることはないと踏んでいた神たちは、宴の真っ最中。

いろいろな物をバルドルに投げつけて遊んでいました。

そんな神たちの中に盲目のバルドルの弟、ヘズがいました。

 

ヘズもオーディンとフリッグの子供ながら、盲目だからという理由で今までずっと日陰の生活を送っていたのです。

 

 

一人離れた場所にたたずむヘズに近づいていくロキ。

ロキ「お前もやってみろよ。」

ヘズ「でもぼく、見えないから他の人にあたると危ないよ。」

ロキ「大丈夫さ。俺が手伝ってやるから。」

 

ロキはヘズにヤドリギの矢を渡し、投げる手助けをしたのです。

ヘズの放った矢はまっすぐにバルドルに向かい、そのままバルドルの胸に刺さったのでした。

唯一の弱点、ヤドリギにさされたバルドルはあっさりと死んでしまいました。

 

バルドルを失ったアースガルドはてんやわんやの大騒ぎになり、兄殺しの汚名を着せられたヘズは幽閉されてしまったのです。

 

最愛の息子を失ったオーディンとフリッグは、はじめこそ取り乱していましたが、フリッグがあることを思いつきました。

 

 

覚えていますか?ヘルの存在を。

 

そうです。

ヘルは唯一死者を甦らせることができる人物ですよね!

 

フリッグはヘルにバルドルを生き返らせるように頼みましたが、そこは素直に

「はい。」とは言えませんよね。

だって家族を引き離した張本人の頼みですもの。

 

ヘルは全世界の者がバルドルのために本当に泣いているのなら、バルドルを生き返らせると約束しました。

しかしここでも変身得意のロキが邪魔をします。

ある巨人に化けたロキは一人、涙を流すことなく、結果ヘルの出した条件が達成されることはなかったのです。

 

こうしてバルドルは冥界の住人となってしまいました。

 

しばらくしてバルドル殺しの黒幕がロキだったということが判明し、神々は必死にロキを探し出します。

 

ある日鮭に化けて川を泳いで逃げようとしたロキは、ついに捕まってしまいました。

こうしてロキはついに幽閉されることとなったのです。

 

 

シギュンの献身

 

 

洞窟の中で鎖につながれたロキの頭上には、昔ロキに痛い目に遭わされた巨人スカジが復讐のためにと毒蛇を結びつけました。

 

毒蛇の口からしたたる毒液により、さすがのロキももだえ苦しんでいます。

 

ロキの様子をみかねた正妻のシギュンは、けなげにも盃をロキの上にかざし、毒液を受け続けました。

 

ここまでほとんど名前が出てきませんでしたが、ここでシギュン登場です。

なんともけなげにロキを支える姿、これぞ内助の功というものでしょうか?

 

 

しかし盃がいっぱいになると、毒液を捨てるためにロキの頭上から離れるため、その間はロキに毒液がかかることになり、ロキは悲鳴を上げ苦しみ、その苦しみもがく振動で地震が起きるのです。

 

バルドルが死んでしまい、世界は終末「ラグナロク」への歩みを速めることとなってしまいました。

 

 

洞窟のロキはラグナロクのその日に解放され、再度神々への復讐へと向かうのでした…

 

 

まとめ

ロキは単なるいたずら好きな人物かと思いきや、世界を揺るがす大事件を引き起こした人物だったのですね。

 

ロキのおかげで神たちは武器を手に入れたり、様々な戦いにおいてロキに助けられたりもしたのですが、最終的には世界を破滅に導き、新たな世界への扉を開ける、まさに「トリックスター」。

ゲームやアニメでも取り上げられることの多いこの名前は、やはり影響力のある重要人物だったのですね。

 

バルドルがいなくなった世界はどのようにラグナロクへと向かっていくのでしょうか?

それはまた別のお話で。

 

 

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